保健師管理栄養⼠

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「怒り」とうまく付き合う

「怒り」とうまく付き合う

みなさんは、仕事や家庭でついカッとなってしまうことはありませんか。
「怒り」とは⽣理的な反応であり、⾃然な感情ですので、怒りを感じることは悪いことではありません。しかし、怒りの感情をそのまま相⼿にぶつけると、⼈間関係でトラブルを起こすことも少なくありません。また、「なぜあんなに怒ってしまったのか」と後悔したり、怒りを無理に抑えようとしてストレスを溜めてしまったりと、怒りは⽣活するうえでの困りごとが増える要因にもなります。
よりよい⼈間関係づくりのためにも、怒りとうまく付き合う⽅法を覚えましょう。

怒りの性質とコミュニケーション



怒りは第⼆次感情である

「怒り」は、突然現れるものではありません。怒りの前には、「不安」「悲しみ」「苦しみ」「寂しさ」「悔しさ」「虚しさ」といった「第⼀次感情」があり、この第⼀次感情が⼼の許容量を超えてしまうと、怒りという感情が出てきてしまいます。⾃分の本当の気持ちに⽬を向け、「なぜ⾃分は怒っているのか」を考えてみましょう。

怒りは⼈に伝染する

誰かが怒っているのを⾒て、嫌な気持ちになったことはありませんか。感情には伝染する⼒がありますが、ネガティブな感情は特に伝わりやすい特徴があります。イライラした⼈が近くにいると、周りもその「怒り」に巻き込まれてしまいます。⾃分が怒ることで、気づかないうちに周りの雰囲気を悪くしているかもしれません。

怒りは⼈に伝染する

相⼿に素直な気持ちを伝える

先ほどの第⼀次感情に⽬を向け、怒りを感じたときは、この第⼀次感情を相⼿に伝えるようにしましょう。
伝える際のポイントはI(アイメッセージ)で伝えることです。
「私は悲しかった」「私はとても⼼配した」と「私」を主語にして伝えることで、衝突を⽣みにくくなり、お互いに理解できる⽅向へと向かうことができるでしょう。

怒りをコントロールするコツ



怒りの感情を上⼿くコントロールするために次の4つの⽅法を実践してみましょう。

STEP1

6秒間を乗り切る

感情のピークは最初の6秒です。そのため、6秒待てば、怒りのピークをやり過ごすことができます。⼤きく深呼吸する、頭の中で6までカウントするなど、あなたに合った⽅法で乗り切ってみましょう。

6秒間を乗り切る
STEP2

怒りを数値化する

今の⾃分の怒りは、10段階のうちどの数値なのかを考えてみましょう。
基準を設けたり、記録をしたりすることで、「今の怒りは4だけど、この前は8だったから、あまり怒る必要がないのかも」と冷静になれるでしょう。

STEP3

怒りの正体を知る

何か出来事があって、または誰かのせいで、怒りを感じたと考えがちですが、実はその正体は「べき」という⾔葉です。仕事はこうやるべき、部下はこうあるべきなど、⾃分の理想や価値観など、信じている「べき」が裏切られたときに⼈は怒りを感じます。
⾃分が思っている「べき」を知り、どうしてもこだわりたい部分がある場合は、「私はこうしてほしい」と相⼿に具体的な要望を伝えることが⼤切です。

STEP4

許容範囲を広げる

どのような「べき」を信じるかは⼈それぞれですが、どこに境界線があるかで怒る回数は増減します。⾃分のこだわりを「許容できる」「条件付きで許容できる」「許容できない」の3つに分けてみましょう。真ん中の条件付きで許容できる範囲を広げていけば、ストレスも次第に減っていくはずです。

今回は「怒り」についてお話ししました。コロナ禍で、⼈と⼈とのコミュニケーションが取りづらくなり、すれ違いも起こりやすくなってきています。お互いが気持ちよく過ごせる関係を築くためにも、⾃分の感情に⽬を向けるように意識してみてください。