保健師管理栄養⼠

ヘルスケアnote

Health care note


災害に備える⾷品ストック

災害に備える⾷品ストック

みなさんは、災害時に備えて⾷品をストックしていますか?「⾯倒だから」「まだいいかな」など、後回しにしている⽅も多いのではないでしょうか。実は、⾷品のストックは、コロナの⾃宅療養時にも⼤いに役⽴つもの。私⾃⾝もコロナに感染し、備えていた⾷品のおかげで助かった経験があります。

コロナに感染すると⾷品の確保が⼤変



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私がコロナに感染したときは、⾼熱の症状で体を動かせず、また家族の外出もままならない状況になりました。⾃治体から届いた⾷品はレトルトのカレーでしたが、喉の痛みがひどく、刺激があるものが⾷べられない状態に。しかし、普段から⾷品のストックをしていたおかげで、⽟⼦うどんや⾖腐、ヨーグルトなどでエネルギー源となるたんぱく質の補給ができました。
また、ネットスーパーを利⽤したのも、このときが初めてでした。普段は必要ないかもしれませんが、⾮常事態になってから会員登録、注⽂、受取⽅法などを指定するのはそれなりの時間と気⼒が必要です。前もって、買い出し以外の調達⽅法を確保しておくのは⼤切だと感じました。

とはいえ、災害時にネットスーパーは使えませんし、店頭での買い物も難しくなります。⾃宅療養を含め、あらゆるリスクを想定して、普段から⾷品を備蓄しておくのが最も確実です。「何から始めたらいいかわからない」という⽅も、できることから取り組んでみましょう。

⾷品のストックを始めよう



災害時を想定した⾷品ストックの⽅法には、主に次の2つがあります。

  • circle

    ⻑期保存できる⾮常⾷を購⼊して備える

  • circle

    普段の⾷品を多めに買い置きし、古いものから消費して⼀定量の⾷品をキープする
    (ローリングストック)

どちらかが優れていると決めつけるのではなく、ご⾃⾝でやり繰りしやすい⽅法を組み合わせるのがよいでしょう。それぞれに適した⾷品がありますので、メリットと合わせて⼀例をご紹介します。

⻑期保存に適した⾷品の例



アルファ米

⽔だけでふっくらご飯ができあがる⻑期保存⾷です。スプーンも付いているので、場所を問わずすぐに⾷べられるのが嬉しいポイント。混ぜご飯やピラフなど種類も豊富で、電気、⽔道、ガスといったライフラインが使えないときにも安⼼です。

レスキューフーズボックス

カレー、⽜丼などのパックが⼊っており、付属の発熱剤で温めることで⽕も⽔も使わずに温かい⾷事が⾷べられます。ライフラインがすべて断たれることを想定し、備えておくとよいでしょう。

長期保存型の水

賞味期限が5〜10年の保存⽔と呼ばれるミネラルウォーターです。⽔は⽣命の維持に不可⽋ですので、ぜひ備蓄しておきたいですね。

ローリングストックに適した食品の例



缶詰

常温保存できて、そのまま⾷べられる⾷品です。特に、⿂の⽸詰はたんぱく質源としてメインのおかずになり、値段も安定しているので取り⼊れやすいです。普段から料理に使って買い⾜していくとよいでしょう。賞味期限も⼀般的に3年と⻑く、⻑期保存にも適しています。

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⽸詰の進化がすごい!

⾮常時には、⾃分の好きな味で⼼の栄養を補給することも⼤切です。最近は、パエリアやだし巻き卵など、変わり種の⽸詰が続々と登場。味も本格的なので、「美味しい!」と満⾜しながら⾷べられますよ。

レトルト食品

賞味期限が1〜2年程度のものが多く、常温で保存が可能です。温めずにそのまま⾷べても問題ありません。丼やカレーなどガッツリ系のおかずをストックしておけば、⾮常時にもスタミナがつきます。種類も多いので、好みのものを選べるメリットもあります。

ペットボトルの水

通常のミネラルウォーターを、普段から飲んで買い⾜しておくと賞味期限を気にせず⾃然とストックできます。「コーヒー⽤に、美味しい⽔を別に買っておこう」など、楽しみながら取り組むといいでしょう。

昔に⽐べて、⻑期保存できる⾷品は増えています。備蓄というと⼤げさな感じがしますが、保存⾷の進化を楽しむくらいの気持ちで構いません。⾮常時にも、普段と同じような⾷事ができるよう準備しておきましょう。
もっと詳しく知りたいという⽅は、農林⽔産省の「災害時に備えた⾷品ストックガイド」をご覧ください。基礎知識はもちろん、災害時の簡単レシピや⾷品の収納テクニックも載っています。

「災害時に備えた食品ストックガイド」