ヘルスケアnote
Health care note
職場や家庭で!加湿による感染対策
- 2025.10.06

寒くなってくると、加湿器を使用している方も多いかと思います。
本日は、加湿によるウイルス対策効果についてお話をします。加湿は大切といいますが、加湿をする場合としない場合はどれだけの違いがあるのかを見ていきましょう。
インフルエンザウイルスの生存率と湿度の関係
インフルエンザウイルスの湿度別の生存率を調べたG・Jハーパー氏のとある研究によりますと、インフルエンザウイルスの生存率は22℃の室内で湿度20%の場合は約65%、湿度50%の場合はなんと5%程度にまで低下することが明らかになっています。
さらには、空気が乾燥しているとウイルスを含んだ飛沫の水分が蒸発して軽くなるため、湿度が高い状態に比べて長時間空気中を漂うことになり、それだけウイルスの拡散範囲が広がることもわかっています。
- 低温・低湿度の環境ではウイルスの生存率が高くなる
- 空気が乾いているとウイルスは長時間空気中にとどまり、遠くまで拡散する
という2つの理由から、低温・乾燥環境では空気中にウイルスが増加しやすくなるのですね。
また、乾燥した環境では、人間の肌や粘膜を覆っているバリア機能が低下してしまうため、加湿していたら防げたはずのウイルスなどを体内に侵入させてしまうことに繋がります。
冬の環境整備について
冬場に暖房が効いた室内では、湿度が低下しやすく、会社等でパンデミックを起こすリスクが高まりますので、生活環境では加湿が必要となるわけですが、冬に最適な室温と湿度はそれぞれどれくらいかご存じでしょうか?
室温18~22℃、湿度50~60%です。
ちなみに、会社の事業者には、事務所衛生基準規則より、「室内の気温が18℃以上28℃以下及び相対湿度が40%以上70%以下になるように努めなければならない」と義務付けられています。
適切な室温・湿度を保っていないと人間の集中力は低下し、生産性にも影響することもわかっているため、環境の整備は会社にとっても大変重要ですね。
なお、70%以上の加湿はカビを引き起こしてしまうため、加湿のし過ぎにも注意が必要です。

加湿器を導入する際は
加湿の方法として便利なのは加湿器の導入ですが、導入の際に確認が必要なことがあります。
加湿器の加湿能力と部屋の広さが合っているかという点です。
よく販売されているデスク用の加湿器は、非常に限定的な加湿効果しか得られず、部屋全体の加湿には及ばないため、感染症対策には効果を示すことは期待しにくいです。その部屋の大きさに応じた能力を持った加湿器を導入し、導入後は湿度計で、部屋が適切に加湿されているかを確認するようにしましょう。