保健師管理栄養⼠

ヘルスケアnote

Health care note


気付きにくい「かくれ脱水」

  • 2026.08.19

暑い夏はこまめな水分補給を意識されている方も多いですが、「脱水は夏を乗り切れば大丈夫!」と思っていませんか?実は、脱水症は年間を通して起こる危険性があります。本人も周囲も気づかないうちに進行する「かくれ脱水」の怖さと、正しい対策を知っておきましょう。

年間を通して脱水にはご注意を

 

脱水といえば暑い夏をイメージされる方が多いかと思います。しかし、冬は乾燥により皮膚からの水分蒸発が進み、暑い夏に比べのどの渇きが感じにくいため水分摂取が減ります。出る水分は多く、入る水分が少なくなり体液が失われていきます。このように知らない間に「かくれ脱水」に陥ってしまうのです。

また、春も注意が必要です。春は気温の変動が激しく、体もまだ暑さに慣れていない状態なので、体温調節機能に異常が起きやすくなってしまいます。

 

水分の役割

なぜそれほど水分補給が大事なのでしょうか。水分は私たちの体の約60%を占めており、生命維持に欠かせない存在です。体内での役割には、次のようなものがあります。

◎体液の循環

摂取した水分は腸から吸収され、血液や体液となり体を巡っています。血液は、血球、血小板、血漿からできていて、血漿の90%は水からできています。

◎栄養・酸素の運搬

血液は体の隅々まで栄養や酸素、ホルモンを運んでいます。また、血漿にはイオンやたんぱく質などの様々な成分が溶けていて、これらも運ばれています。

◎老廃物の排泄

体内のすべての血液は必ず腎臓を通りクリーニング(ろ過)されています。老廃物は血液に溶けた状態で腎臓へ運ばれ、ろ過されて尿として排出されます。

◎体温の維持

人間が体温を36度前後に維持できているのは、水が温まりにくく冷めにくい性質を持っているからです。運動後や暑さで体温が上がった時には、汗をかくことで気化熱を利用して体温を調節します。

水分を失うとどうなる?

体内の水分を5%失うと熱中症や脱水症状が現れ、10%失うと筋肉の痙攣、循環不全が起こります。20%もの水分を失ってしまうと、死に至るような重篤な状態になってしまいます。

水分が失われて脱水症状になると、上記の役割がストップし、全身の機能障害につながります。また、慢性的な水分不足は、熱中症や脳梗塞、心筋梗塞の要因にもなります。

どのくらい必要?

ではその水分はどれくらい必要なのでしょうか。

私たちの体からは、尿や便での排泄、汗や呼吸で合計2.5L程度の水分が排出されています。

それと同量の水分摂取が必要であり、飲み物からは1.2Lの水分摂取が必要とされています。

水分補給は早めにこまめに

のどの渇きを感じているときにはもう脱水は始まっています。渇きを感じる前に先回りして水分を摂ることを心がけましょう。

多くの方が1日の水分摂取量が不足気味だといわれています。「今よりコップ2杯多く飲む」ことを意識するだけで、1日に必要な水分量をしっかり確保できるようになります。

 

 

これからも水分補給に気を付けていただき、年間を通じた健康な体作りを始めましょう!