保健師だより

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ヒートショック

ヒートショック

寒い冬に、特に気をつけたいのが「ヒートショック」。高齢者を中心に、持病がない人にも起こるおそれがある怖い症状です。

入浴時は特に注意



ヒートショックとは、暖かい場所から寒い場所へ移る際など、急激な温度差で血圧が変動し、失神や脳梗塞、心筋梗塞などを引き起こす健康障害です。特に入浴中に発生しやすく、浴槽内で意識を失って溺れるケースが増えています。このような入浴中の事故は、1月をピークとして、11月から4月にかけて多発しています。「自分は大丈夫」と思わず、家族など周りの人とも協力して、入浴習慣を見直してみましょう。

多発する入浴中の事故死



浴槽内での不慮の溺死および溺水の死亡者数は、年間5,690人(厚生労働省「2019年人口動態調査」)で、そのうち9割以上が65歳以上の高齢者となっています。また、病死等を含めた入浴中の死亡者数は、年間約19,000人に上るという推計もあり、多くの人が入浴中に亡くなっていることがわかります

  • ※平成25年度 厚生労働省研究班の調査で、救急車で運ばれた患者数から推計した入浴中の事故死の数
ヒートショックを起こしやすい人

ヒートショックを起こしやすい人

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    65歳以上の高齢者

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    高血圧、糖尿病、動脈硬化、不整脈、肥満がある

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    熱い温度の風呂が好き

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    長風呂が好き

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    食後、飲酒後に入浴する

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    脱衣所や浴室に暖房器具がない

安全に入浴するために



ヒートショックによる事故を防ぐため、入浴時の注意点を確認しましょう。

入浴前に脱衣所や浴室を暖める

温度の低い脱衣所では血圧が上がり、その後、浴槽に入ると血圧が低下します。こうした急激な血圧変動を防ぐために、入浴前に脱衣所や浴室内を暖めておきましょう。浴室に暖房設備がない場合は、寒暖差をできるだけ小さくできるように工夫しましょう。

暖房設備がない場合は…

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    湯を浴槽に入れる際にシャワーから給湯する

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    湯が沸いたら十分かき混ぜて蒸気を立て、フタを外しておく

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    湯につかる前にかけ湯を入念に行う

41度以下のお湯に10分以内

41度以下のお湯に10分以内

42度のお湯に10分つかると体温が38度近くまで上がり、高体温などによる意識障害で浴槽から出られなくなるおそれがあります。お湯の温度は熱すぎない程度にし、長風呂は避けましょう。

浴槽から立ち上がるときは、ゆっくりと

入浴中に急に立ち上がると、体にかかっていた水圧がなくなります。すると、血管が一気に拡張し、脳への血流が減って一過性の意識障害を起こす場合があります。手すりや浴槽のへりを使い、ゆっくり立ち上がることを心がけましょう。

夕食前に入浴する

日没後に比べて、日中は外気温が比較的高く、脱衣所や浴室がそれほど冷え込まないため、早めの入浴は有効な対策の一つです。

食事直後や飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける

特に高齢者は食後に低血圧を起こしやすいといわれています。食後1時間以内の入浴は避けましょう。また、アルコールも血圧を下げてしまうため、飲酒後はアルコールが抜けるまでは入浴しないように。体調不良時や精神安定剤、睡眠薬などの服用後も入浴は避けましょう。

入浴前に、同居者に一声かける

入浴中に体調の悪化などの異変があった場合は、周囲の人に早期発見してもらうことが重要です。必ず一声かけてから入浴しましょう。同居されている方は、長時間入浴している、音がしない、突然大きな音がしたなどの異常に気づいたら、ためらわずに声をかけましょう。